サッカーを通じて社会に良いこと:春のトピック3+1。


今年も春先から世界各国でサッカーを通じた社会問題解決の取り組みが一層加速しています。

まずは人の興味を引きつける施策から、きちっと根を張り持続的活動を目指す活動まで様々です。

まだまだ成長分野なので、世界各国みんなで力を合わせて、困っている人を助けるツールとしてのサッカーを一緒に育てていきましょう!

では、最近で話題になったトピックを3つと、個人的に気になっているニュースを1つを紹介!


1. 子どものいじめ問題に興味を引きつけるサッカー大会「HERO CUP」

元ドイツ代表のメッツェルルダーや元スペイン代表のアマビスカら欧州を代表する元サッカー選手が、ドイツのNGO「Deutsches Kinderhilfswerk」のいじめをなくす啓発活動に協力しました。サッカー大会「HERO CUP」を開催し、たくさんの子どもたちがひどいあだ名をつけられて、イジメにあっている現状を多くの人たちに知ってもらうため、ユニフォームの名前を“イジメられている子どものあだ名”に変えて、プレイしました。この取り組みは、各種SNSやマスメディアでも取り上げられ、いじめ問題に多くの人の関心を向けることに成功しました。

「Change the Name. Change the Game」というキャンペーン名の通り、人の意識を変える、世界を変えるきっかけになったと思います。

●動画

●ドイツ語サイトはこちら。

http://www.namechanger.org


2. パラリンアートサッカーコンテスト開催

一般社団法人障がい者自立推進機構が、4月1日からサッカーをテーマとした「パラリンアートサッカーコンテスト」を開催しています。開催の実現にあたっては、ヴィッセル神戸所属の相馬崇人選手が日本プロサッカー選手会(JPFA)とJリーグに働きかけ、協力を取り付けたとのこと。

「Jリーグを動かした、たった一人のサッカー選手。パラリンアートサッカー開催の背景」

http://cyclestyle.net/article/2016/03/29/34122.html

●ウェブサイトはこちら。

http://soccerart.jp

どんなサッカー作品が出来上がるか楽しみですね!


3. 開発と平和のためのスポーツの国際デー

(© John Hogg/World Bank)

4月6日は、スポーツを通じた開発の啓発活動をおこなう 「開発と平和のためのスポーツの国際デー(International Day of Sport for Development and Peace/ 略称IDSDP)」です。

“平和と開発を促し、寛容と相互理解を育む”スポーツの役割を促進する目的のもと、2013年に国際オリンピック委員会の施策として企画され、同年、国連総会で発表されました。

毎年、国連機関である国連開発と平和のためのスポーツ事務局(UNOSDP)をはじめとするグローバルからローカル層まで、この分野に熱を注ぐたくさんの組織がセミナーやスポーツ大会を開催しています。

スポーツと開発のプラットフォーム「the International Platform on Sport and Development」によると、今年も50を超える世界各国のNPO/NGO団体が独自のイベントを行い、市民社会に「スポーツは社会課題の解決に貢献するんだよ!」というメッセージを発信してくれています。フィンランド、コロンビア、米国、ケニヤなどまさに世界各国にわたり、スポーツの種類もサッカーから卓球、ラグビー、カヌーなど多様です。

日本でもSPORT FOR TOMORROWの一環として、京都でシンポジウムが開催や、筑波大学によるイベントが開催されました。

●世界各国の各活動はこちら。

http://sportanddev.org/en/newsnviews/international_day/idsdp_2016/who_s_doing_what/

最後に、個人的に注目しているニュースです!

「サッカー女子米国代表、報酬の格差問題で五輪ボイコットも検討」

http://www.afpbb.com/articles/-/3083668

昨年、国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」が合意され、17の目標(と169ターゲット)の実現に向けていよいよ今年から本格的に国際社会が動き始めているわけですが、17の目標には、目標5「ジェンダーの平等」、目標10「格差の是正」が含まれており、まさに今回の訴えに該当するわけです。

これまでもスポーツ界の男女間の待遇については至る所で問題視されてきましたが、今年はSDGsのおかげですごく国際社会からプレッシャーが掛かっています。

もし彼女たちの訴えが認められ、男女の格差が是正されたとしたら、サッカー界がSDGsの実現に向けてスタートダッシュを起こすという素晴らしい事例になります。SDGsを推進する様々な組織も今回のケースを是非活用したいところだと思います。米国サッカー連盟の対応が試されていますね。

終わり。