UEFA EURO2016での社会的責任活動

今年2016年にフランスで開催されるEURO大会に際して、UEFAはどんな社会的責任活動をするのでしょうか。

UEFAのウェブサイトにて2015年にUEFAが実施した社会的責任活動が英語と日本で発表されています。

http://jp.uefa.com/news/newsid=2320535.html

過去をさかのぼると、

UEFAは2008年に人種差別撲滅、social inclusion、平和構築、健康促進、環境保全などに取組む「RESPECT」プログラムを立上げ、2012年のポーランド・ウクライナEURO大会では、300万ユーロ(約4億円)をかけ、1) 人種差別撲滅、2)健康促進、3)障がい者とのソーシャル・インクルージョンに取組みました。

記事でも記載されていますが、

今年フランスで開催されるEURO大会でも人種差別撲滅、環境保全、健康への取組みをおこないます。

中でも分かりやすくて興味深い施策は、「トータルアクセス」、「タバコフリー」、「eco calculator」です。

©UEFA.com

「トータルアクセス」では、すべての人がスタジアムで楽しくサッカー観戦できることを目指しています。

各スタジアムに「Good Practice Guide to Creating an Accessible Stadium and Matchday Experience」というガイドラインを配布し、車いすユーザーや聴覚、視覚障がいでも楽しめるスタジアム環境をつくっています。

すでに4つのスタジアムは車いすユーザーがアクセスできる適切な座席数を満たしているようで、大会までにすべてのスタジアムが基準を満たすよう進めています。

©UEFA.com

「タバコフリー」は、禁煙です。

大会で使用される10個すべてのスタジアム内および周辺でタバコを喫煙することが禁止されました。

これまでのワールドカップやEUROなどサッカーメガイベントでスタジアム内の「禁煙」のルールがあったかどうか分かりませんが、思い切りのいい施策ですよね。

その理由について「UEFA欧州選手権が全面禁煙化される最大の理由は、病気や障害、死亡の直接的な原因となる“受動喫煙”のリスクからファンやスタッフを守ること。さらに2次的な理由としては、若者に模範を示すこと、喫煙による火災のリスクを最小限にとどめることのほか、健康を促進し、すべての人が楽しめる大会にしたいという思いがある。」と記載されています。

過去のEURO大会をみても、健康促進の取組みは積極的で、2012年には大会前の寒い時期(3月)にポーランドで健康なライフスタイルを啓発する「WINTER OLYMPICS」を開催し、温かくなった大会時期(6月)にEUROの健康プログラムをおこない、EUROを利用した一連の健康プログラムを実施していました。

ちなみに2020年東京五輪での喫煙環境については、受動喫煙防止条例も熱く議論されていますが、まだ決定していないようです。

「eco calculator」とは、フランス大会に訪れる旅行者にエコな移動を勧める取組みです。

国内外から観戦に訪れるサポーターの移動手段ごとにかかる二酸化炭素排出量を計算し、より排出量の低い移動手段を提案することで、環境に優しい大会運営を実施しようとするもの。

移動にかかる二酸化炭素排出量をサッカーボールの数に置き換えて教えてくれるのですが、

東京からリヨンまで飛行機で移動した場合のCO2排出量はボール40万個分(6.75トン)のようです。

以下のサイトから楽しめます。

https://en-ecocalculator.uefa.com

「トータルアクセス」、「タバコフリー」、「eco calculator」を挙げましたが、

もちろん様々なレベルで細かいルールづくりや活動がされています。

こちらから「UEFA EURO 2016の社会的責任と持続可能性に関する報告書(開催1年前)」(英語版)がご覧いただけます。


終わり。