子どもがサッカーをすることは「習い事」だと思う世帯は65%。日本の「貧困」と「サッカーの機会格差問題」に関する、最新の調査報告書を公開。
事業開始から5年目となる今年もまた、今年支援をした44都道府県363世帯を対象にアンケート調査を実施しました。本報告書では、日本で経済・社会格差を理由に「サッカーをしたくてもできない子どもたち」を関する課題とニーズ、当事者の声をまとめています。
開始から 5 年目となる今年も受益世帯を対象に、アンケート調査を実施しました。4 年間の調査を通じて、これまで可視化されていなかった課題およびニーズを私たちとサッカー選手からサッカー界や日本社会に共有するだけでなく、TV、新聞、オンラインメディアなどさまざまなメディアに取り上げていただくことで課題が周知され、支援の輪が広がることに繋がってきました。今年もアンケート調査を実施することで、最新の状況を把握し、子どもたちの課題の改善に繋げていきたいと考えています。
今年は新たに子ども本人に回答いただく質問を設けました。子どもたちが「サッカーからどんな力(非認知能力)を得たと感じているか」、「サッカーを自分の居場所だと感じているか」、「居場所だと感じているとすればその理由は何か」など。サッカーが子どもの心身の拠り所になるとするならば、そのために必要なヒントを見ることができます。
私たちは今もこの先も、子どもたちが夢を持てる社会を望みます。夢を持つことができるのは、それが許される環境にある人だけではありません。自分の言葉を受け止め、理解しようとしてくれる大勢の人たちの存在があってこそ、子どもたちは夢を話すことができます。本調査報告書では多くのデータを掲載していますが、データの裏側には必ず個人がいます。どうかその人たちに思いを寄せて、本報告書をご覧いただけますと幸いです。
最後になりますが、今年もすべてのご家族がアンケート調査に回答をしてくださいました。5 年連続ですべての方が協力してくれています。これは当たり前のことではないと自覚しています。
ご協力いただきました保護者のみなさま、子どもたちに心から御礼を申し上げます。
▷2025年 アンケート調査報告書
閲覧・ダウンロードはこちら<調査概要>
回答者 : 2025年度事業の受益363世帯の保護者
地域 : 44都道府県(受益者の所在地)
方法 : アンケートを郵送し、自記式の任意回答の上、郵送で返答
回収期間 : 2025年3月10日〜3月31日
回収率 : 100%
<サマリー>
・65%の世帯が、子どもがサッカーをすることは「習い事」だと思うと回答。
・少なくとも27%の世帯が、所属チームで遠征や合宿が企画されているが参加していないと回答。
・60%の世帯が、子どもがサッカーできるように食費を削っていると回答。サッカーをすることと、食費を削ることがトレードオフの関係にあることが確認。
・93%の子どもが、「サッカーは大切な居場所である」と回答。その理由として、「誰かが応援してくれるから」が上位5位に挙がった。応援する人の存在と、応援される体験の有無が子どもにとってサッカーが居場所になるかどうか影響を与える。
・世帯年収が200万円以下の世帯は全体の約60%。3年連続で同等の結果。
・33%の世帯が、子どもがサッカーをするために「借入」を経験したと回答。
・38%の子どもが、「家計を心配してサッカーをやめると家族に話した経験がある」と回答。けれども、54%の世帯が、子どもが経済的な理由等でサッカーを諦めたりするときに「相談をしたいが相手がいない」と回答。
・60%の世帯が、子どもに家庭の経済事情を話したことがあると回答。そのうち49%の世帯は、子どもが小学生の頃に話をしている。また、約30%の世帯は、「諦めさせる」ことを目的に話している。
・サッカーをすることで身についたと思う非認知能力は、「最後まで諦めない」、「継続して頑張る」など【自分を高める力】分野と、「仲間を大切にする」、「他者と協力する」などの【他者と繋がる力】分野に回答が高い一方で、「自信を持つ」、「前向きでいる」などの【自分と向き合う力】は傾向的に低い結果となった。
・100%の世帯が、今後もこのような支援を希望すると回答。5年連続で100%。
・74%の世帯が、中古用品の寄贈を希望。昨年と同等の結果
また、今回の調査では、下記内容についても確認しています。
・子ども1人のサッカーにかかる毎月および1年間の費用(所属別)
・物価高による子どものサッカー機会の変化
・1年間の合宿および県外への遠征(日帰り)の回数
・所属チームによる、ひとり親向けまたは生活困窮世帯向けの補助制度の実施状況や、希望する補助制度の内容
・希望する支援詳細
・プロチームのサッカー観戦の経験有無
・子どものサッカーに対する支援活動は、食料や教育など生活インフラの支援と同じくらい必要としている世帯の割合
・子どものサッカーに対する支援活動は必要だが、支援を求めることに抵抗を感じる世帯の割合
・子ども本人が回答:サッカーから得たと感じている力(非認知能力)の詳細
・子ども本人が回答:サッカーが居場所だと思うその理由
・子ども本人が回答:自分の町に欲しいサッカーコートの特徴
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